Activity Report
2022.11.05
2022年11月5日
人と動物が幸せに共生する社会の実現、「いのちと向き合うこと」をテーマに、杉本彩さんが語って下さいました。
2014年に設立されたEvaは、動物の代弁者でありたい!動物の声なき心の声を届けることが重要であると、動物を取り巻く社会の問題の根源を根っこから解決を目指しています。
そのために重要なのは、啓発活動です。 いま、どんな問題が起こっていて、何を目指して、何をやっていかねばいけないか!を共有していかねば社会はなにも変わらない。 ですので、Evaは啓発活動を中心に活動しています。
5年に1回、動物愛護管理法が改正され、少し前迄は、ほぼほぼ野放し状態であったペット事業者に対する規制も、法が改正される度に一歩づつ規制が強まってきています。
その法改正時に超党派の国会議員の方々が、どんな風に議員立法で法律を改正していくか。という議論の場があり、その議論のアドバイザーとしても彩さんが入られています。 国や地方自治体にさまざまな現状の問題を伝えて、政策提言をしています。
そして、これからの未来に大切な存在である子どもたちに対して、動物のいのちを通して”豊かな心”を育んでもらう、”思い遣りの心”を育んでもらえるよう出前授業をしています。
その他、シンポジウムを行ったり、ちらしやポスターなどで発信し、少しでも深く、広く、色々なことが届くように日々試行錯誤しながら活動しています。
みなさんは、動物虐待というと、積極的に動物を痛めつけたり殺したり。というイメージがあるかと思いますが、それだけではなく、わたしたち人間が動物に対してやらなければいけないお世話を怠ることも「ネグレスト」という虐待なのです。
ネットショップに並べている繁殖業者やペットショップのバックヤードなどでおかれている現状というのは、非常にネグレクトな状況が多くて、これも問題視しております。 中には、平気で動物を殺してしまうような悪質な事業者がいることも現実です。
そして、事業者だけではなく、個人の飼い主も、自分のストレスを動物に向けて痛み付けて、最終的には殺してしまうというような残虐な事件も起こっています。病院に連れて行かないといけないような怪我や病気をしていても、病院にも連れて行かず手当もせずに放置しているという飼い主として自覚・責任が全くないネグレクトも非常に多いのです。
現実に起こった事件で、繁殖業者が、1000頭近くの犬を所有していて、小さな小さな不衛生な施設に閉じ込めて、劣悪な環境の中で、可能な限り犬に妊娠をさせ、子供を産ませて、出産間近になった親犬に対して、獣医師免許もない繁殖場のオーナーが帝王切開で子犬を取り出しているという卑劣な事件がありました。
こうした問題に対しして、共有し、解決していくことが、人と動物が幸せに共生する社会の実現に繋がります。
日本人は、動物愛護の精神は素晴らしく、動物を可愛がり、慈しみます。 しかし、動物福祉の観点からすると、まだまだ成熟していないかなと感じます。 動物福祉とは、自分が動物が好きで可愛がるということではなく、動物の目線にたって動物の気持ち、動物の幸せを考えること。動物の生態環境に合った飼育環境がちゃんと準備できているのか。動物の自然な行動を抑制することなく動物らしく生きる環境を用意することができるか。を考えることがいのちと向き合うということではないでしょうか。
自分が引き受けた”いのち”は、終生、動物の幸せを最後まで責任を持つことが動物愛護の基本中の基本であります。動物を家族に迎え入れるときは、自分の最悪の事態(死や病気や経済的に苦しくなること)を想定して、動物と暮らす覚悟をしてください。
最後に、今後も、「人と動物が幸せに共生する社会の実現」を目指し、公益財団法人動物環境・福祉協会Evaの運営資金にしていただこう!と、会場にお越し下さいましたみなさまからご協力いただきました募金を, みなさまを代表し、Ms.ETHICALINK Japanオーガナイザー岩永惠津子より寄付させていただきました。